2011年3月10日木曜日

マイルス・デイビス~バースデイライヴ

妻のことで,とても羨ましいと思っていることがあります。僕は音楽全般が大好きで,ロック・クラシック・ジャズなど何でも聴くのですが,その中で別格の存在はビートルズ・ベートーベンそしてジャズトランペットのマイルス・デイビスです。マイルスには公式盤の他にいわゆる海賊版といわれるものが大量にあり,僕は,中山康樹著「マイルスを聴け!Version8」(双葉社)に紹介されている562枚のうち,560枚を持っているくらい大好きなジャズミュージシャンです。

マイルスは,1965年12月22日,シカゴのPLUGGED NICKELというライブハウスでウェイン・ショ-タ-,ハービー・ハンコック,ロン・カーター,トニー・ウィリアムスと演奏していて,それがアルバムになって発売されています。この日は,妻の誕生日。マイルスは彼女のために,そのバースデイプレゼントとしてすばらしい演奏をシカゴで繰り広げてくれたのです。あのマイルスが誕生日に演奏してくれたなんて,何と羨ましいことかと,妻に言ったことがあります。彼女はあんまり乗ってくれませんでしたが・・・

ちなみに,僕の誕生日は1956(昭和31)年7月11日(セブンイレブンと覚えてください(笑))ですが,残念ながら,その日にマイルスが演奏したかどうかは分かりません。他の年の7月11日の演奏はあるのですが。

去年の12月22日に,妻のバースデイパーティをしたのですが,終わって帰宅してから,一人で(その頃は娘はまだアメリカにいて,僕一人の生活でした)プラグドニッケルのライヴを聴きました。マイルスがシカゴで演奏しているとき,そこから飛行機で5時間ほど離れたコネチカット州ウェストハートフォードの病院の産まれたばかりの妻のことを想像しながら聴きました。妻の母親から何度も聞かされています。「キンバリーはその病院で産まれた赤ちゃんの中で一番可愛い子で,たくさんの人が見に集まってきたの」 
キンバリーと出会って結婚した頃,実家にある古い写真アルバムを見ました。小さい頃からの妻の写真がたくさんありました。僕が言うのもあれですが,信じられないくらい可愛くて素敵でした・・・

去年の今頃は,脳に転移していることも知らず,頭痛を何とかしたいと,友人に紹介された漢方薬局に一緒に行っていました。とても親身に対応してくれる薬剤師の方と話しをして,薬をもらって,帰りに近くのスーパーに寄って帰ってきたりしていました。いろいろなことが思い出されます。彼女の不在はあまりにも大きくて,まだまだ時間が必要です。

マイルス プラグドニッケルライヴを聴きながら

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