2011年12月27日火曜日

森田芳光監督

森田監督が20日に逝去されましたが,そのニュースを聞いてかなりびっくりしました。何か予感がしていたとしか思えないことがあったからです。

3週間くらい前ですが,自宅のDVD の中から,何か見たい映画がないか探していたとき,森田監督の「それから」が目に入りました。夏目漱石原作の映画化で,大分前に買ってあったのにまだ観ていないなあ・・・と思い,「そういえば,最近森田監督の名前聞かないような気がするけど,まさか亡くなってはいないよなあ・・・」と気になって,ネットで調べてみました。
亡くなったという情報はなく,僕が知らなかっただけで,最近も何本もの映画を撮っているいることを知りました。何かホッとした気持ちになり,東京で観た「家族ゲーム」のことを思い出して,あの映画にはぶっ飛んだなあ・・・と懐かしく思い出していました。松田優作の演技も凄かったけど,伊丹十三も印象的でした。目玉焼きの目玉が口で吸えるくらいでなければいけないのに,それが固く焼けすぎていて,  何度もチュッと吸いついているシーンが浮かんできました。

「それから」を観はじめたのは,17日頃でした。寝る前の細切れ鑑賞なので,彼の訃報を知ったときは,まだ終わっていませんでした。

61歳ということです。
テレビで観た北川景子の号泣が印象的でした。
合掌

2011年12月22日木曜日

キンバリーが46歳になりました

キンバリーの46歳の誕生日です。今朝,キンバリーがやっていた「びっくり部屋」の女の子の生徒さんから花が届きました。カードに写真がついていたので,誰か分かりました。とっても明るくてキンバリーにくっついていた女の子です。2008年の今日,キンバリーは自分のために,バースディディスコパーティを開いて,たくさんの友人・子どもたちが楽しい時間を過ごしました。犬たちの散歩の途中でよく寄った北23条の喫茶店の2階を借り切って,たくさん踊っていました。踊るのが大好きなキンバリーでした。2009年の10月にはフィリピンの人たちが開いたディスコパーティに行って,1時間以上踊っていました。ほんの少しだけそのときのビデオが残っています。でも,その後,ガンが関係していると思いますが,足首が痛くなり,歩くのにしばらく苦労していました。それでも,楽しい時間を持てたことをとても喜んでいました。
アメリカで産まれたキンバリーなので,正確にはまだ誕生日にはなっていません。アメリカはあと少しで22日になります。
キンバリーの好きだったチェリーメリーのケーキを買って,今夜は二人でお祝いするつもりです。


ところで,1969年~のブログへの投稿が2件あることに先日気がつきました。全く(殆ど)反応を期待していないので(全くなかったわけではないので,ちょっと失礼かれしれません),気がつくのが遅れてしまいます。

そうでした。モコ・ ビーバー・オリーブでしたね。曲名は当時気にしなかったのか,全く記憶していなくて「海の底で歌う歌」だということを初めて認識しました。
早速,ネットで調べてみると,僕と同じように思い出の曲として記憶しているひとがかなりいるようです。記憶していた歌詞は,ところどころ違っていましたが,頭の中で再生可能な状態で残っています。

この曲にひかれた理由といっても,明確に覚えていません。ただ,曲のイメージが幻想的で,いろいろと歌の内容を映像化して聴いていました。これは記憶違いなのかもしれませんが,テレビに3人が出演して,海藻が揺れるような海の底ををイメージしたスタジオで歌っているシーンを見たような気がするのですが,そんな事実はあったのでしょうか。どなたか分かるひとがいたら教えてください。

Miles Davis    BAG’S GROOVE を聴きながら

2011年12月20日火曜日

史上最大の作戦~記憶の変容について

少し前のことですが,「史上最大の作戦」をDVDで観ました。長い映画なので,1週間くらいかかりました。寝る前の細切れ鑑賞だとそうなってしまいます。この映画は1962年12月8日に日本で公開されたとのことです。東京と札幌が同じ日に上映開始となったのかは分かりませんが,この映画は公開当時に観ました。ススキノ南4条西1か2丁目に大きな映画館があって,そこに父親に連れられて観に行ったことを覚えています。ものすごく混んでいて,立ち見がたくさんいるので,6歳の私は大人たちの間になんとか身体をもぐり込ませて観たと記憶しています。最近の映画館は立ち見ということはできなくなっているので,今の若い人には想像がつかないかもしれません。

この映画を観ようと思ったのは,自分の記憶を確認したいという理由がありました。
記憶では,こんなシーンがありました。
      ジョン・ウェインが隊長役で,ノルマンディ上陸後に行進しているとき,道路脇の十字架のように  
組まれた木に兵士の死体がキリストのようにくくりつけられている。そこで,ジョン・ウェインが何
か叫ぶように部下に言っている・・・

ノルマンディ上陸作戦を描いた映画ですが,上陸直後にドイツ軍の機関銃で死んでしまう兵士,パラシュート部隊の兵士が風に流されたりしてドイツ軍基地の上に下りてしまってすぐ射殺されたりするシーンがたくさんあって,気が重くなりました。映画がどんどん進んでも記憶にあるシーンは出てきません。
もしかすると記憶違いなのかなあ・・・と思っていると,殆ど最後のところで出てきました。
しかし,十字架に兵士がくくりつけられているのではなく,パラシュート部隊の兵士が木にひっかかってぶら下がった状態で死んでいるシーンでした。そして,ジョン・ウェインが「いつまであんな状態にしておく気だ。はやく下ろしてやれ」と命令するのでした。また,記憶ではジョン・ウェインは歩いていたのですが,実際には足を悪くしてトロッコのようなものに乗って,部下が押しているのでした。

49年の歳月を経て,記憶の確認ができました。
今思い出しました。キンバリーとこの映画の話になったことがあって,自分の記憶について確認したいんだ・・というような会話をしたことがありました。結局,一緒に観ることはできませんでした。

キンバリーは去年の2月頃から4月末くらいまで,午前中などに一人で映画を観に行っていました。
どんな気持ちで観ていたのか・・・
2009年11月頃に肝臓への転移が分かって,抗ガン剤を再開していました。「これからずっと抗ガン剤とは離れられないんだね」と言っていましたが,がんと一緒に「共生」して行くんだと思っていました。まさか,あんな経過をたどることになるとは誰も夢にも思っていませんでした。

最近,事務所で音楽を聴くことが少なくなっています。
何もかかっていません。

2011年12月16日金曜日

1969年~夜明けのスキャット,真夜中のカウボーイ・・・

由紀さおりがアメリカなどで大人気になっています。先日,ニューヨークにいるステージ直前の彼女と電話で話すのをテレビでやっていました。タイムズスクエアのすぐ近くにあるタウン・ホールでマチネーで1回目のステージがあって大成功だったようです。このタウン・ホールはニューヨークでもかなり古いホールで,5年前にビートルズのコピーバンドのライヴを聴いたことがあります。

ヒットしたのは1969年。中学1年のときで,ラジオから毎日流れていたことをよーく覚えています。夜の10時くらいにあった番組でよくかかっていて,そのときの自分の部屋の様子などが目に浮かんできます。いしだあゆみの「ブルーライトヨコハマ」も同じ年の大ヒット曲だったということですが,この曲は,小学校6年生のときに卒業を控えたクラスのお楽しみ会のようなものがあって,そのときに友人の一人を相手にして面白おかしく踊りながら歌ったことを覚えています。自分で言うのも何ですが,結構受けていました。
 脱線しますが,同じ頃にヒットしていたこんな歌詞の曲(3人組の女性たちの歌)が分かったらどなたか教えてください。
     わたしたちが逢ったのは,静かな海の底
     わたしたちのゆくえは誰も知らない

偶然ですが,1969年の映画をおとつい観終わりました。「真夜中のカウボーイ」です。日本公開のときに,記憶では狸小路1丁目にあった帝国座かその地下のスカラ座で観たと思います(須貝ビルの札幌劇場かも・・・)。中学1年でした。第42回アカデミー賞の作品賞を受賞していますが,「成人映画」の指定を受けた映画としては唯一の受賞作品だということです。ちなみに日本では今のようなPG12,15というようなレーティングシテテムがなかったので,誰でも観ることができました。

テキサスからハスラーでやっていこうと出てきたジョー(ジョン・ボイト)とブロンクス出身の足の不自由なリコ(ダスティン・ホフマン),ニューヨークの厳しい現実に極限まで追い詰められ,瀕死のリコが夢見ていたフロリダにバスで向かう二人。しかし,フロリダに着く前にリコは亡くなってしまいます。
バスの運転手に「彼の目を閉じてあげなさい」と言われて,そっとリコの瞼を閉じてあげたときのジョーの表情がとても印象的でした。そして,リコの肩に手を回して抱きかかえるジョー・・・

このシーンを観たとき,キンバリーのことを思い出して,涙があふれました。
去年の6月16日午前2時44分に逝ってしまったキンバリー。身体きれいにしてあげて,服を着せてあげたあと,彼女を抱いて話しかけたときのことが甦ってきました。ほんの少し前まで息をしていた彼女が,まだ暖かい体温が残りながらも,ただその身体の重みを感じることしかできなくなっていることが,本当のこととは思えませんでした。
今日で,彼女が旅立ってからちょうど1年半がたちました。

彩はアメリカの学校にも少しずつ慣れて来ているようです。宿題が多くて大変なようです。
週に2~3回,中学校の教師が,彩の勉強を見に来てくれています。精神科医のセラピーも受けています。アメリカに行ったのは正解だったのだと思います。

 真夜中のカウボーイ主題歌
「うわさの男」 Everybody's Talkin'   を聴きながら
(映画ではニルソンの歌が使われていますが,この曲の作詩・作曲者であるフレッド・ニールで)

2011年12月13日火曜日

FOR WHOM THE BELL TOLLS ~誰がために鐘は鳴る

アーネスト・ヘミングウェイの1940年発表の有名な小説です。スペイン内戦を舞台にして,ロバート・ジョーダンとマリアの恋を描いたもの,ということですが,実は,通読したことはありません。
最近,原書で読み始めているところです。自宅には2冊の原書があります。一冊は,3年くらい前にアマゾンで購入したものです。読み始めているのは,それではなく,相当読み込まれ,書き込みやアンダーラインのあるかなり古い本の方。キンバリーの蔵書です。自宅の書棚の中に,キンバリーがアメリカの自宅から持ってきた本が並んでいるところがあります。CATCH 22やカート・ヴォネガットとか,キンバリーがアメリカでの学生時代に読んだ本の中からお気に入りのものを日本に送ったり持って来たりしたものが納まっています。先日,何となく書棚を見ていたら,この本が目に入り,手に取ってパラパラとめくってみると,ところどころにキンバリーのメモやアンダーラインがあり,彼女が読んだ軌跡をたどって行けば,キンバリーと一緒にいられると思い,並行読書の一冊として読み始めたというわけです。
値段は$1.95  発行元は,この小説の初版元 であるCHARLES SCRIBNER'S SONS。値段からもかなり古いものであることが分かります。

キンバリーの書き込みは,正直なところ判読はかなり難しく,何を書いているのかはよく分かりません。それでも,キンバリーの筆跡を見ながら,そしてその文字を指でたどりながら,この本を読んでいるときのキンバリーの姿を想像しながら,一緒にそばにいるような感じを味わいながら読んでいます。
脱線しますが,アメリカの彩が,学校の先生の板書の文字が全く読めないと言っていました。日本の学校の先生の板書が,字が汚くて読めないということはまずないでしょうが,筆記体に慣れていない彩にとっては,板書の文字が判読できなくて困っているようです。

キンバリーがこの本を最後まで読んだということは,471頁ある本の469頁のところに書き込みがあることから分かります。13頁に  「まるでベラスケスの絵から出てきたような美しい馬だった」という文章があって,そのVelasquez のところにアンダーラインが引いてあります。「ラス・メニーナ(女官たち) 」などで有名なスペインの画家ですが,キンバリーがいたら,一緒に画集を見ながら話ができるのになあ・・・と思いながらしばしその名前のところで立ち止まってしまいました。

今,英語の本はジョイスのUlysses, ポール・オースターのSunset Park, デイヴィッド・ハルバースタムのThe Children, ジェーン・オースティンのPride and Prejudice,ナボコフの短編集  などを読んでいます。Ulyssesはようやく245頁まできました。長い道のりです。
最近,シャーロック・ホームズが仲間入りしました。まず,最近出ている新訳で読んでから,原書を読むという変則的方法で読んでいます。中学生の頃,ホームズに夢中になった時期がありました。懐かしさとともに,新しい発見もあり,楽しんでいます。

キンバリーがいたら,分かりづらい英語のニュアンスについて訊いたりできるのになあ・・・

Love you
Miss you so much

Beethoven     Violin Concert     Thomas Zehetmair (Vn)
                       Orchestra of the 18th Century
                       Conducted by Frans  Bruggen

2011年12月8日木曜日

君のいない食卓~川本三郎

昨日,札幌駅のステラプレイスにある三省堂書店に行きました。最近は紀伊国屋を利用することが多いのですが,駐車場の割引が三省堂の方がお得なので,紀伊国屋書店の駐車場に停めて,2階のイノダコーヒーで本を読んだりしたあと,三省堂に行くことにしました。お得というのは,紀伊国屋では2000円以上購入すると1時間の無料券がもらえるのですが,三省堂だと2000円以上で2時間無料のスタンプを押してもらえるのです。カフェがある書店としては,三省堂と同じように2時間くらいは無料にしてもらいたいと思うのですが,紀伊国屋のご検討をお願いしたいと思います(笑)。

三省堂で購入した3冊
①君のいない食卓  川本三郎 (新潮社)
②漱石の俳句・漢詩  神山睦美 (笠間書院)
③絶望名人カフカの人生論  (飛鳥新社)

①は「いまも, 君を想う」に続く,亡妻との思い出を食事に触れながら綴ったエッセイ集。
②は,漱石の短詩型のものもとてもいいと思っていたところで,グッドタイミングで見つけた本。
③は前向きに生きる力のヒントがありそうという直感に従って購入。

今日はジョン・レノンの命日。
キンバリーの誕生日が近づいてきています。