2011年5月20日金曜日

酒類のテレビコマーシャル 多すぎませんか

妻の乳ガンが分かってから,治ることを祈願して酒を止めてから3年以上が経ちました。
キンバリーは亡くなってしまい,もう少しで1年が経つのですが,飲酒を再開しようと思う気持ちは全くありません。ビール・ワイン・焼酎・ウイスキー・バーボン・日本酒・・・大学1年の頃から51歳になるまで,かなりの酒を飲んできたわけですが,今では全く飲みたいという気持ちは起きません。
妻が亡くなって,酒を止めた事情を知っている人に,また飲んでもいいんじゃないかということを言われたりすることがありますが,飲みたいと思わないものをまた始める必要もないので,月に一回ある異業種の集まりでスナックにカラオケに行くときも烏龍茶やコーラで歌っています。酒は読書の大敵。起きている間はひたすら本を読んでいたいので,酒をやめていつも頭すっきりは最高です。

酒を止めるまえは,自分はお酒が好きだと思っていたのですが,ほとんど禁断症状もなくいきなり止められたところをみると,勘違いだったのではないかと思うくらいです。思えば,酔っぱらって帰宅してキンバリーにいやな思いをさせたことがありました。ごめんねキンバリー・・・

自分が酒をやめると勝手なもので,酔っぱらった人を見ると,実にいやな気分になり嫌悪感でいっぱいになります。そして,かつての自分もあんな無様な状態になっていたのかと思うと,何か取り返しのつかない恥辱感に襲われます。酒を飲んでいたころの僕を知っている人には,僕が一滴も飲まないということが信じられないという顔をされます。それだけ飲んでいたということなのでしょう。

そんな自分からすると,テレビでの酒類のコマーシャルの多さには驚きます。酒を飲んでいた頃にはそんなことは全く思っていなかったのですが,人気タレントなどを使い,うまそうにビールを飲み干し,そして必ず「カーっ」「プハーっ」というような声とともに顔をしかめるようにビールの美味さを強調しているコマーシャルがあまりに多いので驚いています。それに昔はこういうのは男性タレントなどがやっていましたが,今は若い女性タレントなども同じような声と表情です。何か笑ってしまいます。
僕などの世代では,三船敏郎の「男はだまってサッポロビール」のコマーシャルが懐かしいのですが,昔のはもっと「謙抑的」ではなかっのかと思います。

こんな風に感じるのは, アメリカのテレビでビールや酒類のコマーシャルを見た記憶がほとんどないからです。確か, バドワイザーがアメリカンフットボールの試合中継のときに宣伝してたような記憶はありますが,それ以外にはほとんどありません。アメリカもそしてヨーロッパなども酒類のコマーシャルは厳しく制限されています。日本の状況はそんな観点からみると異常です。

キンバリーと生活するなかで,日本の中にいるだけでは何の疑問も持たなかっただろうことが,実は「チョット変だ」ということに気づかされるということがいろいろありました。もう直接キンバリーと話をすることはできませんが,自分の中で「キンバリーだったらどう思うかな・・・」という対話をこれからもずっとしていきたいと思います。

自宅の庭にある1本の桜がほぼ満開になって,  「たわわに実る」という感じでその重たい花で枝を揺らしています。去年の今日はキンバリーは頭痛がひどくて入院していました。彼女に見せたくてそのときに撮影したビデオが残っています。あれが最後の桜になってしまいました。まだ脳に転移しているとは思ってもいませんでした。脳に転移するともうどうしようもないことは分かっていますが,せめてその事実をもっと早くに発見して,脳内圧を下げる点滴で頭痛から開放してあげたかった,どんなに辛かっただろうと考えると涙が出ます。なぜもっと早くに検査をしなかったのか,当時の主治医の対応に疑問をもっています。今さらどうしようもないのですが・・・

THIRD RAIL   SOUTH DELTA SPACE AGE    を聴きながら
(ジェイムズ・ブラッド・ウルマー(ギター) 入ったファンキーのアルバム)

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