2011年7月20日水曜日

須賀敦子~福永武彦~見つけたらすぐ買えの法則

手元に「須賀敦子全集」(河出書房新社)の第1巻と第2巻があります。
2009年3月28日東京神田神保町のBOHEMIAN’S GUILDという古書店で購入しました。
その日は,家族で八王子市にあるがんの代替医療を行っている病院に行くために27日に二泊三日で上京したのでした。キンバリーはできるだけ強い抗ガン剤を使わずに,身体に優しい治療をすることに決めていたので,僕が見つけたそこの院長の書いた本を頼りに,診察と相談を受けに行ったのでした。
温厚なおじいちゃん先生で(失礼),キンバリーもその先生が気に入って,何カ月後かにもう一度行ったりしました。
 

翌日の28日は浅草に行き,花屋敷で遊んで,プリクラを撮ったりして楽しい時間を過ごしました。
まだ元気だったキンバリー。素敵な笑顔が残っています。

そのあと,神田の古書街に行きたいという僕の希望をきいてくれて,3人でぶらぶらしたのでした。
この古書店でまず目についたのは,福永武彦の「草の花」の単行本の初版でした。福永武彦は大学時代に一時夢中になって読んだ作家で,懐かしさもあって買おうかと思ったのですが,ちょうど夕食の時刻で,その古書店のある通りに自然食のレストランがあったので,そこで食べてから買おうと思い,一度手にとった「草の花」を書棚に戻しました。

食事が終わり40分後くらいに戻って書棚を見ると,なくなっていました。どこを探してもありません。
「古書は,見つけたときに買え」という鉄則をすっかり忘れていました。
がっかりしながら,他の書棚で見つけたのが須賀敦子の2冊の全集でした。

最近,須賀敦子の文章に癒されています。「遠い朝の本たち」「ユルスナールの靴」(いずれもちくま文庫)を読み返しています。「ミラノ 霧の風景」を読んでいます。考え抜かれた簡潔な彼女の文章は読むだけで心地よい。そして,彼女の考え抜いたことの意味をよく味わうとさらに気持ちよくなります。彼女は最愛のイタリア人の夫を結婚後6年足らずで亡くしてしまいます。
その後の彼女の生き方に,これからの僕の人生に対する何らかのヒントのようなものがあるかもしれません。全集は全8巻です。残りの巻を,どこかの古書店で見かけたら,すぐ手にとって放さないことにします。

John Medeski  Billy Martin  Chris Wood
   Notes From The Underground  を聴きながら

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