2011年7月6日水曜日

読書アンケートの勧め

政治家の言葉が政治や社会を混乱させた事例は過去枚挙にいとまがありませんが,今回の松本復興大臣の辞任劇もあきれるばかりです。

今国政に携わっている議員たちにこれまでどんな書物を読んできたのかのアンケートを取るといいと思います。それによってその人間が信頼に足るものかどうかがかなりはっきりと分かると僕は思います。

何年前か忘れましたが,最高裁判事の国民審査のための各判事の経歴等を紹介する新聞記事を覚えています。そこには各判事が関与した裁判の紹介などとともに,「愛読書は何か」という質問に対する回答が載っていました。それを見て驚きました。7~8人の国民審査の対象となる判事のうち,(記憶は正確ではありませんが)4人くらいが塩野七生 著「ローマ人の物語」を挙げていたのです。ちょうどその頃,このシリーズが話題のベストセラーになっていたのでした。
この本を読むことがいけないということは全くありません。僕も全巻持っています。
しかし,日本の司法の最高機関である最高裁判事が4人も同じベストセラー本を愛読書として挙げているということに僕は正直がっかりしました。新聞用と考えて,一般受けするような本を選んだのかもしれませんが,同じことがアメリカの最高裁判事だったらあり得ない回答だと思いました。
「古典」といわれる書物の名前が挙がることを期待する僕は古いのかもしれませんが。

誰のことだったか忘れましたが(不確かな記憶に自分でがっかりしてます),欧米の政治家がある困難な局面に立たされたとき,まずやったことが,イギリスの首相だったチャーチルの「第二次世界大戦回顧録」を書棚から取り出して読むことだったということを何かで読んだことがあります。そのエピソードに感動しました。

先日亡くなった児玉清さんが,ほとんど最後に書いた原稿の中で,大震災後の政治家たちの言動に対して「幼稚きわまりない」と痛罵していたことをテレビ番組で知りました。凄い読書家だった児玉さんですが,きっと「政治家どもはろくな本を読んでいないに違いない」と呆れ返っていることと思います。

バッハ オルガン曲集 プレストン(オルガン)を聴きながら

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