2010年3月29日月曜日

蘭越事件判決日

今日の午後3時蘭越事件の判決言渡しです。
裁判所が刑事裁判の原則に従って無罪判決を出すことを期待しています。

この裁判の争点の1つに,現場にあったキオスクの袋内の6個のティッシュのうち1個から被告人の精液だけが鑑定されたことがあります。被告人は現場には一度も行ったことがないのですが,出会系サイトで知り合った女性が本件犯行日の2週間くらい前に現場に被告人と行って,そこで被告人と性的関係を持ったと証言しています。女性の話が本当であれば,ティッシュのうち2個には被告人の精液と女性の唾液がついているはずなのに,1個から被告人の精液だけが鑑定できたというのです。その理由として,検察はキオスクの袋が発見されたときの現場検証中に雨が降り,キオスクの袋の中にも雨水が入ってティッシュがずぶぬれになってしまい,唾液などが薄まったり流れたので1個から被告人の精液だけが検出されたのは不自然ではない,と言っているのですが,ティッシュが濡れてしまったのは警察の捜査ミスなのです。発見されたキオスクの袋は取っ手の部分がしっかりと結ばれていて密封状態だったのを,現場で警察官が結びを解いて,口を開けたまま地上に置いていたために雨が入って濡れてしまったので,これは明らかに警察のミスです。それを理由に自分たちに有利な主張をするのですが,皆さんこれについてどう思いますか?これがアメリカの裁判だったら,捜査側のミスで鑑定できなくなった可能性があるのであれば,そんなものは証拠として認められないことになるはずです。ところが日本ではそんな発想は出てきません。

裁判員裁判だったら,蘭越事件にはどんな判決がなされるでしょうか。
判決については,また報告したいと思います。

1 件のコメント:

  1. 先生、お疲れさまでした。判決出ましたね。。。
    いろいろとお話を伺っている中で、真実にたどり着くのはとても難しいことなのだなぁと痛感しています。
    まるでほとんどのピースが失われたジグソーパズルの絵柄がモナリザなのか、あるいはミッキーマウスなのかで戦わなくてはならないような、しかし本当の当事者の心の中にだけその絵は鮮明に描かれているのでしょうね。。。。

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