2010年12月13日月曜日

記憶

今朝,所用で車を運転中,ある家電製品等の廉価販売で有名な店の近くの信号で停止しました。何気なくその店舗建物を見ているうちに,15年くらい前の記憶が蘇ってきました。
結婚することになって間もなく,この店で冷蔵庫を購入したことを思い出したのでした。妻と一緒に見に行き,5階まで階段で上げなければならないことからサイズの制約があるものの,それなりに大きなサイズのものを購入しました。配達当日,2人では到底上げられないので,応援を頼んで4人くらいで少しずつ5階まで上げたのでした。何とか設置され,これで新婚夫婦の住居らしくなったような気がして嬉しかったことを思い出していました。最近も何度となくこの店のそばを通っていたのに,今までは「最近はここに来なくなったなあ」という程度のことしか思っていなかったのが,今日はあの日のことが一気に脳裏に浮かんできて,ちょっとうろたえたりしました。

こんな風に,何気ない風景の中に,亡き妻との思い出が見えてくる瞬間というものがこれからも続いていくのでしょう。私は今54歳ですが,あと何年寿命があるのか分からないにしても,そんな風に記憶が蘇って来る瞬間が何度やってくるのか,そのことを考えると,ただただ悲しみに包まれてしまいます。今は耐え難いなあということしか思えません。時間の流れの中でその受け止め方にどんな変化があるにせよ,二度と彼女に逢うことはできないのだという厳然たる現実の前に,途方に暮れるばかりです。

ビル・エヴァンス Conversations with myself  を聴きながら

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