2010年12月19日日曜日

セザンヌで泣くとは・・・

最近,新聞のテレビ欄をチェックするように心がけている。殆どテレビは見ないが,ときどきとても興味深い・面白い番組を見損なうことがあるので(見損なってもネットで見ることは可能かもしれないが,そこまでやる気なし)。

昨日は,夜の10時からテレビ東京系でセザンヌが取り上げられている番組をテレビ欄で発見していたので,10時少し前にテレビのある2階の部屋のソファに座って始まるのを待っていた。このソファは,今年の1月,妻がのんびりと横になってリラックスできるようにと購入したもの。あまり広くないスペースなので,一度家具店でサイズを確認して,メジャーで納まるるかどうかを妻が確認して購入した。でもギリギリ入るだろうというサイズだったので,配達当日,妻は納まるかどうかちょっと不安がっていた。その日の夕方帰宅すると,「本当にジャストサイズで何とか納まったの」と嬉しそうに妻は言っていた。そして,最初は二人で配達に来たが,二人では無理だったので,さらに二人の応援を得て,長時間かけて納めてくれたことに感激していた。

一番好きな画家は誰かと問われれば,躊躇することなくセザンヌと答える。美術館に行ったときは,セザンヌがあるかどうかをまず確認する。ニューヨークのMOMAにあるセザンヌは,行くたびに見に行く。

テレビ番組は,りんごとオレンジの静物画をメインにして,それがいかに革命的な技法だったかを分かりやすく解説してくれて面白かった。「ピカソはセザンヌには絶対にかなわないと言っていたんだよなあ」と独り言を言っていたら,番組でもピカソのキュビズムとの関連が出てきたりして,ここに妻がいたら,「たけしがいろんなことを知っているのって凄いと思う」とほめてくれただろうなあ・・・と思ったりしていた。

突然の涙は,番組の最後にやってきた。
セザンヌのアトリエを幼稚園くらいの子どもたちが先生や親と一緒に訪れて,説明を聞いたり,感想を言ったりしているシーンが写った瞬間,妻がやっていた「びっくり部屋」で子どもたちに絵をかいてもらったり,図工で何か作ったりするのを,英語を使って説明したり,感想を言ったりしていたクラスの様子がそのシーンとだぶり,涙があふれてきた。彼女がいきいきと楽しく子どもたちとコミュニケーションしている姿が浮かんできた。

カードを使って英単語を覚えさせたりするようなよくある子ども英語教室とは全く違って,びっくり部屋は英語はあくまでも手段であり,それを使って何を伝えるのかが大事だというコンセプトで,簡単な科学の実験やアートクラス・世界各国の料理教室をしたりして,英語をとおして世界とつながることのできる人間に育ってほしいという思いでやっていた。子どもだけでなく大人も参加してもらいたくて,「0歳から100歳まで」というのがコピーとして使われていた。

これからもっともっとびっくり部屋をよりよいものにしようとしていた妻の気持ちを思うと切ない。

J.Sバッハ 世俗カンタータ集(ルネ・ヤーコプス指揮) を聴きながら

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